カメチキンカメチキン

和食が一斉にテーブルに並んでいるとき、何から手をつけて、どんな順番で食べるのがいいか、マナーはありますか?



うさロングうさロング

一品ずつで出てこない料理の場合、悩んでしまいますね。ちゃんとマナーがあるので説明していきましょう。







会席料理など和食の宴会料理は、

コース形式で順番に出てくることが多いですよね。


順番に出てくるのであれば

出てきた順に食べると良いのですが、

ときには料理が一度にテーブルに並んでいることもあります。


一度に並べられた料理、

食べる順番を気にせずに食べてしまっていませんか?


ついつい自由に食べてしまいがちですが、

実は、この場合にも食べる順序があるのです。

この記事では、
  • 和食を食べる順序
  • 料理によって違う食べ方
  • 和食の食べ方のNG
について詳しく紹介していきます。

【参考文献】
こちらの記事は以下の文献を参考に作成しています。
  • 『最新ビジュアル版 冠婚葬祭お金とマナー大辞典』(主婦の友社)
  • 『一生使える!大人のマナー大全』(PHP)
  • 『図解 マナー以前の社会人常識』(講談社)
  • 『世界一美しい 食べ方のマナー』(高橋書店)



和食を食べる順番とその理由

和食の基本は、

ご飯 + 一汁三菜

です。


豪華な和食になるとおかずの種類が増えて、

ご飯 + 一汁五菜
ご飯 + 一汁七菜

となります。


これらのご飯、汁物、おかず…

食べる順序をご紹介しましょう。

和食はまず汁物から

たとえ、
・一汁三菜
・一汁五菜
・一汁七菜
と、おかずの種類や数が変わっても、

和食で最初に食べるのは汁物

です。


汁からいただく理由は2つあって、

  • 箸を湿らせる
  • 胃腸の活動を活発にする

ことからです。


箸を湿らせる

箸を湿らせることで、

ご飯粒が箸先に付かないようにします。


というのも、粘り気のあるお米を箸で食べると、

どうしてもご飯粒がお箸にくっついてしまいます。
(特に割り箸だとそうですよね。)

箸が湿っていると、多少なりともそれを防ぐことができるので、

まずは箸先を湿らせることを食事の最初に行う、というわけです。


くれぐれも箸先をなめてご飯粒を取らないように!

「ねぶり箸」といってマナー違反の行為となります。
↓↓↓
お箸のマナー違反と嫌い箸・忌み箸・禁じ箸とは?理由や子供への教え方を詳しく!


胃腸の活動を活発にする

温かいお汁を飲むことで体が温まり、

体が温まると胃腸が元気に動き始めます。


その後の食事を美味しくいただくためにも、

最初に温かいお汁をいただく、というわけですね。



汁物の次は味の薄いもの(ご飯)から

汁物の次はご飯です。

ご飯を先に食べるのは、

ご飯の味が薄いからです。


そして、味の薄いものを先に食べるのは、

お料理を最後まで美味しく食べるため。


味の濃いものを食べると舌が濃い味に慣れて、

薄い味の料理が持つ味わいや風味を感じにくくなってしまうからです。

最後におかず(以降は繰り返す)



汁物→ごはん→おかず

と一巡したら、二巡目にうつります。


二巡目以降も同じように、

汁→ごはん→おかず

となります。


給食の時間に習った、

三角食べ

ですね。


ご飯のあとのおかずは、好きなものから食べましょう…

と言いたいところですが、これにもやはり順序があります。

おかずも味の薄いものから
おかずも味の薄いものからいただきます。


ただ、

見た目ではおかずの味が薄いか濃いかわかりにくいですね。


そんなときは、

左の手前から食べるとよい

です。


実は和食では、

おかずは左から右に向けて、
また手前から奥に向けて味を濃くすることが多いのです。


どのおかずから食べて良いか、迷ったときの目安にしてくださいね。



お箸の使い方

和食の食べる順番が正しくても、

食べる所作が美しくなければ台無しです。

正しくお箸を持つことは、美しい食べ方の第一歩。


正しい箸の持ち方についてはこちらの記事で紹介しています。
ぜひ参考にしてくださいね。
↓↓↓
お箸の綺麗な持ち方のポイント|大人の矯正もまだ間に合う?左利きならどうする?


また、箸の取り方や置き方も、美しい食べ方には欠かせない所作です。

お椀をもった時の箸の取り方や置き方もあわせて、こちらの記事で紹介します。
↓↓↓
お箸の取り方と置き方|お椀を持つときはどうする?箸置きの折り方もあわせて!

うさロングうさロング

きれいな箸の使い方、身につけてくださいね。




料理別の正しい食べ方

和食の正しい食べ方の一つは、

お皿を持って食べること
(平皿などを除きます)

です。

自分の手の平に乗る程度の皿に料理が入っていれそのまま持ち、

皿が大きければ取り皿を使用します。

器を持って口元に近づけて食べることで、

犬食いを防ぐことができます。

うさロングうさロング

犬食いについては最後で紹介していますよ!



そして、料理別にも正しい食べ方があります。

よく和食で出される料理の、正しい食べ方をご紹介します。

椀物




椀物は料理人の腕の見せどころともいわれる、

自慢の出汁を使った季節の料理です。


椀ものの食べ方ですが、

必ず持っていただきます。


まず香りを楽しみ、

お汁をひとくちいただいて、

次に椀種(具)を食べます。

その後は汁と具を交互にいただいてくださいね。


通常、椀物には蓋がついています。

なぜ蓋がついているのか?

それは、もちろん、保温のためもありますが、

「香り」を楽しむためのものでもあります。

蓋をすることで、香りをお椀の中に閉じ込め、

高台をとって蓋を開けた途端に広がる香りを楽しむ

これも椀物の醍醐味ですね。


なお、蓋の開閉の作法についてはこちら。
↓↓↓
和食のマナー|お椀の位置や蓋はどうする?持ち方や食べ終わり後の作法も



お刺身

お刺身は手のひらよりも大きなお皿で出されることが多いので、そのお皿は持ちません。

そのかわり

醤油を入れる小皿を持って食べます。


小皿を使わないと醤油がたれて汚く見えます。


小皿を使わず手皿で受ける人を見かけますが、これはマナー違反。

実は、

「私は料理についた汁を落としながら食べています」

と宣言しながら食べているようなものなんです。

上級者になると小皿ではなく、自前の懐紙を使う人もいます。

うさロングうさロング

さっと懐紙を取り出せたら、かっこいいですね。



刺身を食べる順番も、やはり

薄い→濃い

です。


白身から食べ始め、徐々に脂の乗った赤みなどに移行します。


わさびの食べ方は醤油皿には溶かさず、

刺身に少量のわさびを乗せて、刺身を醤油につけて食べます。

わさびは醤油に溶かすと風味が落ち、見栄えも悪くなるからです。


ツマ(大根の千切り)は食べてもよいか迷う人もいるようですが、

魚の味の調節にして食べてください。


煮物

煮物は蓋つきで出てくることが多く、

蓋の取り方は汁物と同じです。


器も大きかったり小さかったりと色々ですが、

手のひらより小さければ左手で持ち

大きければ取り皿や懐紙で受けながら食べます。


煮物を食べる順序は、

上から、または手前から。

崩さないように食べられればどちらからでもOK。


大きければ口に入るくらいに箸で切りわけます。

お芋などはつい箸で刺したくなりますが、きちんと箸で持つようにしてくださいね。

うさロングうさロング

器のへりに里芋をあてて、ゆっくりと何度かに分けてお箸を入れるのがコツですよ!


焼き魚

和食を食べるときの最難関とも言われる焼き魚の正しい食べ方。

より詳しく食べ方を解説していきたいので、こちらでお伝えします。
↓↓↓
焼き魚の食べ方のマナー(工事中)

1匹の魚をきれいに食べられたら、和食の食べ方上級者です!

酢の物




小鉢で少量が出されることの多い酢の物。

器が小さいので持って食べます。


一口で全部食べてしまえそうな量の場合もありますが、

そんな時でも二、三口に分けて食べるようにしましょう。


酢の物で、酢味噌や梅肉がかかったものもあります。

味を均一にするため混ぜてしまいたくなるところ…

ですが、崩れると見た目がよくありません。

皿を汚さないよう、一口分ずつ分けて食べるときれいですよ。


揚げ物

和食の揚げ物の定番といえば、天ぷらですね。


天ぷらは大きい皿で出てくることが多いため、基本的には手で持ちません。


天つゆが入っている小鉢や取り皿で受けて食べてください。


食べる順番は盛り付けを崩さないように手前から。

味は天つゆ、塩などお好みで。


箸でカットするなどして一口でいただきますが、

箸で切れない野菜はかじって、2、3口で食べきってください。

かじるとき、口元を懐紙で隠せば上級者です!

ご飯

ご飯を食べるときは必ず茶碗を持ちます。

持ち方は

  • 親指以外の4本の指をそろえて底を持ち
  • 親指は軽くふちに添える

ように持つと美しくみえます。


お箸は箸先の3cmを使って、はさんで食べます。

うさロングうさロング

くるむようにはさむのがポイント!



すくったりあまりたくさん取ったりせず、一口大で食べるようにします。


茶碗に入っているご飯は、

上下2層になっているとイメージしてください。

上の層を食べてから、下の層を食べます。

また、

各層は手前から食べます。

上の層の手前から食べ、終わったら下の層の手前から食べるようにしましょう。

これがご飯粒をお茶碗のあちこちに散らさない秘訣です。


和食のNG

和食は美しく食べたいもの。

そのためにも、

美しくないとされる食べ方(NG)は避けましょう。

よくみかけるNGをご紹介します。

膳越し

膳の向こう側にある料理を箸で取ってそのまま口に入れる食べ方。

見た目が美しくないだけでなく、

衣類を汚したりつゆが他へ飛び散ったりする心配があります。


向こう側にある料理を取るときは気をつけながら、

必ず取り皿に取ってから自分の方に持ってくるようにしましょう。

犬食い

前傾姿勢で、置いたままの食器に口を近づけて食べる行為です。

その姿はまさに犬…に似ています。

食器を持つか、取り皿を使うようにしてください。

にらみ食い

口の中でモグモグしながら、他の料理をキョロキョロ眺める行為です。

美味しそうな料理が並んていると、ついやってしまいそうになります…。

この行為がNGなのは、

口の中に今あるものを味わっていないから。

1つずつ味わいつつ食べるようにしてくださいね。

そで越し

右にある料理を左手で取る行為、またはその逆の行為です。

そで越しは腕が交差する形になるので、

見た目が悪いだけでなく粗相をする恐れも。

左のものは左手、右のものは右手で取るようにします。


まとめ

カメチキンカメチキン

和食の食べ方がこんなに奥深いなんて…。今まで知らなかったことに、ちょっとショックです。



うさロングうさロング

料理に関わる人への感謝の気持ちと、食事を共にする相手に対する思いやりの気持ちが美しい所作に現れると考えてくださいね!


まとめると、

普段からNGな食べ方をしていると癖になってしまいます。

  • 和食を食べるときの順序(汁→ご飯→おかず)
  • 箸の使い方
  • ご飯やおかずの食べ方
  • 取り皿の使い方

など、できそうなことから1つずつ、毎日の食べ方に取り入れてくださいね。


また、ついやりがちなNGな食べ方も、普段から意識しておきましょう。

NGな食べ方は、美しくないばかりか、粗相を起こしがち。

周りに迷惑をかけることは避けたいですね。


マナーを知って、和食を美味しく食べてくださいね。


それでは最後までお読みいただきありがとうございました。