12月のイベントと言えばクリスマス!

いやいや、私たち日本人が古くから親しんできた大切な行事を忘れちゃいませんか?

そう、冬至(とうじ)です。


冬至と言えば、イメージするのが、かぼちゃを食べてゆず湯に入ることだと思います。

でも、

  • どうしてそのような過ごし方をするようになったのかという由来
  • かぼちゃを食べたりゆず湯に入ることの効能など

についてはあまりよく知らないですよね。

なんとなく毎年そうやってたみたいな。


それから、実は、冬至の日は毎年変わります。

クリスマスは12月25日と日付が決まってますが、冬至はクリスマスと違って日付が決まっていないので、大体この時期と覚えていても、つい忘れてしまうんですよね。
(といっても大きな変動ではないですが…)

そこで今回は、
  • そもそも冬至にはどのような意味があるのか
  • 冬至の時期はいつなのか
  • 冬至に食べると良いとされるかぼちゃやゆず湯の由来や効果
について解説していきたいと思います。



冬至の意味

冬至というと、一年で一番昼が短い日というイメージがパッとわくと思います。

このパートでは

  • なぜ冬至の日に昼が短くなるのか
  • 冬至の日は決まっているのか

などについて整理ましょう。

冬至はいつ?冬至の意味と気候の状況について

四季のある日本では、二十四節気(にじゅうしせっき)といって一年を24に分けて季節の移り変わりを表しています。

冬至もその中の1つで、暦の上では冬のちょうど真ん中にあたります。

そして、冬至の日は太陽が一年で最も南に寄るため北半球では昼が短く夜が長くなるのです。

ここ意外かもしれませんが、「北」ではなくて「南」なので注意です。
↓↓↓
こちらの画像を見ると理科で習ったことがなんとなく思い出せます。


一年で最も日の長い夏至の日から少しずつ日照時間が短くなり、一年で一番昼の短い日である冬至の日は、昔から太陽が生まれ変わる日として考えられてきました。


というのも、冬至の日の日照時間が一番短いということは、翌日からまた日照時間は増えていくわけで、冬至の日を境に、太陽が再び力を取り戻し復活すると考えられてきたんですね。

それが、太陽が生まれ変わる日と考えられてきた理由です。

また、冬至の日は、そうした再生の意味合いが強いことから、健康を願う「願掛け」が行われる日でもあります。

「願掛け」については後ほどまた。



さて、2019年の今年、冬至は12月22日の日曜日ですが、冬至は毎年22日と決まっているわけではありません。

4年に一度21日の年もあります。

このようにずれるのは冬至に限ったことではなく、うるう年の関係で少しずつ時間がずれていくからです。


ちなみに、2019年以降の冬至の日を整理しておきます。

【冬至の日】
  • 2019年 12月22日(日)
  • 2020年 12月21日(月)
  • 2021年 12月22日(水)
  • 2022年 12月22日(木)

となります。

家族でどんなことをするのか

古くから、冬至の日は一年で最も太陽の力が弱まり、次の日からまた日照時間が長くなることから「一陽来復(いちようらいふく)」といってこの日を境に運気が上がる、と考えられてきました。

先ほどの「復活」から連想できますね。

さらに、再生や復活のイメージに加えて、季節的にも本格的な寒さが厳しい季節を迎えることもあり、風邪などをひかず健康で無事に冬を過ごすためのさまざまな願掛けをする習慣が残っています。


この冬至の願掛けとして良く知られ今も行われているのが冬至の日には家族みんなでかぼちゃを食べて、ゆず湯に入るというものですが、このような願掛けの習慣にはどんな由来があったのか、次の項で詳しく説明します。



冬至の食べ物

冬至に食べる食べ物としては、かぼちゃが代表的なのは良く知られているところです。

なぜ冬至にはかぼちゃを食べることになったのか、由来については諸説あります。

冬至にかぼちゃが食べられるようになった由来

まず冬至には運盛り(うんもり)といって、「ん」の付く食べ物を食べると運が良くなると考えられていることが挙げられます。

そのため、「ん」が2つ付く食べ物として、

  • 人参(にんじん)
  • 蓮根(れんこん)
  • 銀杏(ぎんなん)
  • 寒天(かんてん)
  • 金柑(きんかん)
  • 饂飩(うんどん=うどん)
  • 南京(なんきん=かぼちゃ)

が「冬至の七草」として古くから食べられてきました。


特にかぼちゃは、「ん」が2つ付いているということの他にも、

  • 体内でビタミンAに変わるβ‐カロテン
  • ビタミンC
  • ビタミンE

も豊富で栄養面でもかなり優れていています。

そしてかぼちゃは夏に収穫したのちも長期保存が可能なため、緑黄色野菜が少ない冬に不足しがちな栄養素を摂ることができる利点もあります。

また、夏(陽)の季節に採れた食べ物であることや南(陽)から来た食べ物として縁起が良いとされていたことも、冬至にはかぼちゃを食べる習慣になった理由のひとつです。

冬至の食べ物に地域による違いがある?

ところで、冬至に、かぼちゃだけでなく違うものを食べる地域もあります。

群馬県では特産のこんにゃくを食べる習慣があります。

こんにゃくは食物繊維が豊富で整腸作用があることから、体の中をきれいにする厄落としのような意味合いから食べられているようです。

北海道では、かぼちゃと一緒に小豆を煮た「いとこ煮」お汁粉の中にかぼちゃを入れて食べます。

小豆も北海道の特産で栄養も豊富ですが、小豆は赤いので悪いものを追い払う意味もあります。



冬至の日のお風呂

冬至の日にはかぼちゃを食べることの他に有名な「ゆず湯に入る」という習慣ですが、なぜ冬至の日のお風呂は「ゆず湯」なのでしょうか?その由来や効能について解説しましょう。

ゆず湯の由来や効能

「冬至の日にゆず湯に入ると風邪をひかない」と昔から言われていますが、これも由来には諸説あります。

ひとつは、冬至は湯治(とうじ)、ゆずは融通が利くという語呂合わせから「冬至にはゆずが効く」という意味になったようです。


また、昔は今ほどお風呂に入る習慣がなかったため、お風呂に入ること自体が体を清めることとされていました。

さらに、香りの強いものは昔から邪気を払うことに使われることが多かったため、冬至の日にゆず湯に入るのにはこれから運気を呼び込む前の「厄払い」の意味もあったとも言われています。


実際にゆず湯には、ゆずの皮や果実から出るビタミンCやクエン酸が風邪やお肌のひび・あかぎれを予防し、血行を促進して冷え性や神経痛・腰痛を改善する効果があると言われています。

ゆずは何個入れる?

ゆず湯は、ゆずをそのまま浴槽に張ったお湯の中に浮かべて入ります。

ただでさえ寒い季節、あったかくて香り高いゆず湯をゆっくりと楽しみたいところですが、その前にゆずは何個入れたらいい?とちょっと迷うこともあるかもしれません。



そのままゆずを入れてゆず湯にするなら、できればたくさん用意した方が見た目にも贅沢にゆず湯を楽しむことができます。

理想は5~6個ぐらい



ただ、地域によってはゆずがなかなか手に入らないということもありますし、1~2個ぐらいしか用意できない、ということもあるでしょう。

ゆず湯はそのまま入れるイメージがありますが、輪切りにして入れると香りも良くなるし、見た目の数も増えるので、個数が少なくてもゆず湯を楽しむことができますよ。


ただ、肌の弱い人やお子さんにはチクチク・ピリピリすることもあり刺激が強いので注意が必要です。

お肌が弱い方はゆずをそのまま入れることをおすすめします。

管理人のような肌に問題のない大人でも、子供たちとゆず湯に入っている際に、ゆずを握り潰して遊んでいると、ひどいピリピリが襲ってきた経験があります。


輪切りにしたゆずはそのまま浮かべてもいいですが、後片付けを考えると布の袋や洗濯ネットなどに入れた方がいいでしょうね。

ゆず湯を楽しむプチ知識

ゆずは、見た目がキレイな食用として売られていることが多いですが、特に年末にかけてゆずの値段は高くなりがちで、1個200円くらいしたりします。

食用のゆずをゆず湯にたくさん使うとなると、結構費用がかかってしまいますよね。

産地に近いところだと安く手に入ったり、木になっているものを使うといいですが、都会だとなかなかゆずが安く手に入らないことが多いです。


ゆず湯に使うゆずは傷がついたりボコボコして見た目が良くないものでいいので、キズもののお徳用として売られているものを利用するのも手です。

そういったものを利用すれば、ゆず湯も心置きなく楽しむことができますね。



まとめ

冬至は一年で最も日が短く夜が長い日として知られ、古くから太陽が生まれ変わる日として考えられてきました。

厳しい寒さの折ということもあり、健康を願って運気を上げるための願掛けが行われています。

それが、冬至の日にかぼちゃを食べてゆず湯に入るというものです。


かぼちゃには運気を挙げる食べ物であるという考え方の他に、栄養的にも優れ風邪を予防し体調を整える働きがあるため、冬至の日に食べられてきました。

ゆず湯にも血行を良くしたりする効果が認められ、香りが邪気を払うとも言われています。


冬至の日の習慣は科学的な知識がない時代に始まったものであるのにも関わらず、単なる願掛けという意味の他にしっかりと理に叶っていることに感心してしまいますよね。

先人からの知恵を大切に、これからも冬至の日の過ごし方の習慣を守りつつ、楽しみつつでいきましょう。

それでは最後までお読みいただきありがとうございました。