カメチキン
社内メールで「人事課 御中」ってメールが届いたんですが、正しいのでしょうか?
うさロング
メールでの御中の使い方ですね。封筒やはがきとは違うマナーがあるので紹介しましょう。
「御中」の基本的な使い方はマスターしてるつもり。
だけど、
メールでの「御中」の使い方となるとちょっと自信がない…
なんて困っていませんか?
そう、
御中:組織・団体宛に使う
という意味なので、
物理的に1つしかない封筒やはがきを組織宛に送付するときの「御中」は、
受け取った封筒やはがきをその組織の中の誰かに確認してもらう
という意味で違和感はありません。
ですが、
メールの場合は同時に複数の人に送付できるので
複数の人がメールを受け取っているのに、その組織の中の誰かに確認してもらう
という意味が当てはまるのかどうか…
そこがよくわからなくなってしまうんですね。
そこでこの記事では、
- 「御中」のメールでの正しい使い方
- 社内向けメールにも使えるか
- 「各位」との違い
について詳しく解説していきたいと思います。
「御中」のメールでの使い方と書き方
まず、「御中」がメールでも使えるのかどうかですが、メールでも使える
が正解です。
ただし、使い方には注意事項があります。
注意事項を説明する前に、ここで、もう一度「御中」の意味についておさらいです。
「様」と並べるとわかりやすくなるのですが、
- 御中:組織・団体宛に使う
- 様:個人宛に使う
となります。
ただ、「組織・団体宛に使う」といっても、
組織そのものに対して読んでね、とお願いしているわけではなく、
組織の中の個人の特定はできないけど、組織の中の誰かが読んでね
ということを表しています。
「御中」のイメージはこんな感じです。
「様」と対比してみるとわかりやすいですね。
↓↓↓
さて、「御中」をメールで使う場合の注意事項ですが、
「御中」は、
組織の中に属する誰かが読んでね
という意味で使われるのですから、
その組織に属する人全員が宛先になるようなメールはおかしい
ということになります。
うさロング
同時に複数人に送信できるメールの特性ゆえの注意点ですね。
なので、「御中」をメールで使えるようなケースは、
課単位などの組織専用のメールアドレスに送るような場合
となります。
例えば、
jinji@tsuru-kame.co.jp
(←鶴亀株式会社の人事課)
みたいな、組織用アドレスの場合です。
その場合の宛名の書き方は、
- ▲▲株式会社 人事課 御中
- ▲▲株式会社 人事課採用係 御中
- ▲▲株式会社 技術部開発担当 御中
- 〇〇高等学校 御中
- ○○高等学校 学生課 御中
などとなります。
というわけで、注意事項を踏まえた結論は、
「御中」は組織用アドレスに送信する場合はメールでも使える
ということになります。
社内向けメールと「御中」
では、社内向けメールに「御中」は使えるのでしょうか。結論的には、
社内向けメールに使うのはふさわしくない
です。
先に説明したとおり、形式的に考えれば、
「御中」は組織用アドレスに送信する場合はメールでも使えるので、
このルールは社内向けメールにも当てはまります。
ただ、「御中」の本来の意味は、
組織の中の個人の特定はできないけど、組織の中の誰かが読んでね
ということです。
同じ社内で「組織の中の誰かが読んでね」みたいなことはほとんどありません。
個人名までは特定できなくても、
- ○○課 人事担当者
- 〇〇課 庶務担当者
- ▲▲課 経理担当者
- ▲▲課 研修担当者
といった具合に特定は可能なはずです。
そのうえで、個人名での特定まではできない場合に、
組織用アドレス宛に
- 〇〇課 人事担当者 様
- 〇〇課 庶務担当者 様
- ▲▲課 経理担当者 様
- ▲▲課 研修担当者 様
といった宛名で送付するのが通常です。
このような宛名にせずに、
社内で「〇〇課 御中」
なんて宛名でメールが届くと、
件名から担当者が推測できるけど、なんかよそよそしいな〜
となってしまいます。
そいういう意味で、
社内向けメールに使うのはふさわしくない
となるわけです。
各位との使い分け
さて、「御中」のメールでの使い方がわかったところで、続いて疑問に感じるのが、
「各位」との使い分け
ではないでしょうか。
まず、「各位」の意味ですが、
各位:大ぜいの人を対象にして、その一人一人を敬っていう語です。
(大辞泉)
なので、
- 御中:その組織の中の誰か
- 各位:その組織の中の一人一人
といった違いがあり、これが使い分けとなります。
この「御中」と「各位」の違いをイメージにすると、こんな感じになります。
↓↓↓
「各位」を使った宛名は、
社外宛には、
- ▲▲株式会社 〇〇課 各位
- ▲▲株式会社 関係者 各位
- お取引先 各位
また、「各位」は社内向けにもよく使われていて、
- 〇〇課 各位
- 関係者 各位
などと表記されます。
なお、「各位」自体が敬称なので
▲▲株式会社 関係者 各位 様
のような使い方は二重敬語となって誤りです。
まとめ
カメチキン
社内メールでの「御中」に違和感があったのはそういうことだったんですね!
うさロング
社内でも「御中」が使えないわけではないですが、ふさわしくはないでしょう。
まとめると、
「御中」はメールでも使えるが、基本は
課単位などの組織用のメールアドレスに送るような場合
となります。
ただし、社内メールでは、
通常、メールを送る先の個人がある程度特定されるはずなので、
「御中」を使うのはふさわしくない
といえます。
「御中」と「各位」との使い分けは、
- 御中:その組織の中の誰か
- 各位:その組織の中の一人一人
でした!
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。