カメチキン
このあいだ、帰ろうとしてる部長に「ご苦労様です!」っていうと怒られちゃった。
うさロング
「お疲れ様」と「ご苦労様」の違いや使い分けを学ぶ必要がありますね!
仕事を終えて帰ろうとする上司に
「ご苦労様でした!」
と声かけをしたあと、先輩から
「上司には、お疲れ様だろっ!」
と怒られた…
なんて経験ありませんか?
そう、これは私たちを悩ませる
「お疲れ様」「ご苦労様」問題
です。
ネット上でも、上司や目上の人に対しては
「お疲れ様」「ご苦労様」いずれの言葉をかけるべきか?
論争が続いています。
そこで、この記事では、ついにこの論争に終止符を打つべく
- 「お疲れ様」と「ご苦労様」の違いと使い方
- 「お疲れ様」と「ご苦労様」の具体的な使い分け
について、詳しく解説していきたいと思います。
Contents
「お疲れ様」と「ご苦労様」の違い
結論から言いますと、ビジネスマナーとしては
- 「お疲れ様」:目上の人からも目下の人からも使えるねぎらいの言葉
- 「ご苦労様」:目上の人から目下の人をねぎらう言葉
となります。
もちろん、この論争についてはいろんな考え方が乱立していて、言葉の成り立ちみたいなものまで遡ると
そもそも江戸時代はお殿様に向かって「ご苦労」を使っていた
(お殿様からは「うむ、大儀であった」)
とか、
「お疲れ様」であっても上司に対してねぎらいの言葉をかけることは無礼
など、いろんな意見があるのは承知しています。
さらには、会社でのローカルルールで、全く逆のルールが設定されているところがあったり。
つまり、
目上の人には「ご苦労様」を使え
とか。
ですが、あくまでビジネスマナーとしては、ご紹介した使い方が正しいとされているのです。
うさロング
一般的なビジネスマナーを踏まえつつ、ローカルルールを含めて柔軟に対応したいですね。
「お疲れ様」「ご苦労様」の辞書的な意味
ここで少し辞書的な分析などを加えてみましょう。大辞泉によると、
【御疲れ様】また、
相手の苦労をねぎらう意で用いる言葉。
また、職場で、先に帰る人への挨拶にも使う。
「ご苦労様」は目上の人から目下の人に使うのに対し、「お疲れ様」は同僚、目上の人に対して使う。
【御苦労】と定義されています。
他人に仕事を依頼したときなどに、その苦労をねぎらっていう語。同輩以下の者に対して用いる。
(【御苦労様】御苦労を丁寧に言う言葉)
ですので、辞書的にもビジネスマナーと同様の整理がなされています。
ちなみに、国が行った平成17年度の「国語に関する世論調査」では、
だったと報告されています。
- 自分より職階が上の人に「お疲れ様(でした)」を使う人が69.2%、「ご苦労様(でした)」を使う人が15.1%。
- 自分より職階が下の人に「お疲れ様(でした)」を使う人が53.4%、「ご苦労様(でした)」を使い人が36.1%。
だったと報告されています。
つまり、
- 目上の人に対しては、「お疲れ様」を使う人が7割、「ご苦労様」を使う人が2割未満
- 目下の人に対しては、「お疲れ様」を使う人が5割、「ご苦労様」を使う人が4割未満
ということなので、一般的には
目上の人にも目下の人にも「お疲れ様」を使う人が多い
ということがわかります。
「お疲れ様」「ご苦労様」の使い分けの具体例
では、「お疲れ様」「ご苦労様」の使い分けについては一般的なビジネスマナーに則るとして、具体的な使用例を確認していきましょう。具体的には、
- 仕事を終えて退社しようとする上司に向けて
- 出張先から社に戻ってきた上司に向けて
- 悪天候の中訪ねてきてくれた取引先に向けて
- 取引先を見送る際に取引先に向けて
- 本社からやって来た上役に向けて
- 1週間の研修セミナーを終えた講師に向けて
- 荷物を届けてくれた配達員に向けて
について確認していきます。
仕事を終えて退社しようとする上司に向けて
この記事の冒頭に紹介した例ですね。この場合、
- ご苦労様でした:×
- お疲れ様でした:○
と、ビジネスマナーどおり、上司へは「お疲れ様でした」と声をかけるのが正解です。
出張先から社に戻ってきた上司に向けて
こちらも、- ご苦労様でした:×
- お疲れ様でした:○
と、ビジネスマナーどおりです。
他に、
お帰りなさい
との声かけもありです。
悪天候の中訪ねてきてくれた取引先に向けて
社外の取引先に対してねぎらいの言葉はどうするか。少し応用編になりますね。
- 雨のなか、ご苦労様です:×
- 雨のなか、お疲れ様です:×
- 雨のなかおいでいただき、ありがとうございます:○
ねぎらいの言葉よりも、
取引先が天候の悪いなかわざわざ来てくださったことへの感謝の気持ちを表現しましょう。
他に、
雨の中をお越しいただき、ありがとうございます
との声かけも可能です。
取引先を見送る際に取引先に向けて
では、取引先が帰られる際、どのような声かけをされますか?- 本日はご苦労様でした:×
- 本日はお疲れ様でした:×
- 本日はありがとうございました:○
見送りの際も、ねぎらいよりも感謝の気持ちを表現すべきです。
他に、
- 本日はお越しいただきありがとうございました
- 有意義な情報をいただきありがとうございました
などや、先の例のように天候の悪い場合は、
本日は天候の悪いなかお越しいただきありがとうございました。くれぐれもお気をつけてお帰りください。
などの配慮がある声かけもいいですね。
本社からやって来た上役に向けて
社内の上司であっても、いつも「お疲れ様」の声かけでいいのでしょうか?- 遠路はるばるご苦労様です:×
- 遠路はるばるお疲れ様です:×
- 遠方よりお越しいただき、ありがとうございます:○
遠方よりやって来て、これから一仕事、という場合です。
社内の上司であっても、ねぎらいの言葉より、感謝の気持ちを表現します。
1週間の研修セミナーを終えた講師に向けて
ビジネスマナーの基本形で対応可能です。- 1週間、ご苦労様でした:×
- 1週間、お疲れ様でした:○
社外の講師ですので、目上の人と同じように接するべきなので、「ご苦労様」は不適切です。
他に、
1週間、ありがとうございました
と感謝を伝える表現も好ましいですね。
荷物を届けてくれた配達員に向けて
社外、社内関係なく、一般的にサービスを受けた場合のねぎらいはどのように声をかけましょう?- ご苦労様:○
- お疲れ様:×
自分に何かサービスをしてくれた場合には、「ご苦労様」が適切な声かけです。
他に、
- お世話様
- ありがとう
などの表現で相手をねぎらいましょう。
まとめ
カメチキン
具体例も豊富に紹介してもらったので、しっかり使い分けができそう♪
うさロング
ねぎらいの言葉ばかりに気を取られるのではなく、感謝の気持ちも忘れないように!
まとめると、
・ビジネスマナー
・辞書
・世論調査
において、「お疲れ様」「ご苦労様」の使い方はほぼ一致していて、
- 「お疲れ様」:目上の人からも目下の人からも使えるねぎらいの言葉
- 「ご苦労様」:目上の人から目下の人をねぎらう言葉
となります。
それでも、
いろんな考え方や真逆のローカルルールが存在することもあるので
基本を踏まえて柔軟に対応するようにしましょう。
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それでは最後までお読みいただきありがとうございました。