会社の新入社員研修でも名刺交換のマナーを学んだんですが、それでも不安で…。もう一度しっかりと基本を確認したいんです。
うさロング
本当の意味で不安をなくすには実践で経験を積むしかありませんが、その前に基本知識はしっかり確認しておきたいですね。名刺交換の基本マナーを確認していきましょう。
社会人になってからの不安なお作法の1つである名刺交換
先輩や上司から
会社を代表して名刺交換してるんだから粗相のないようにな!
なんて言われると、ますますプレッシャーがかかって不安が増しますよね。
そんな不安を少しでも和らげるためには、ひとまず正しい基本知識を頭に入れること。
できれば動画などを参考にしながらイメージを繰り返すといいですね。
そこでこの記事では、
- 名刺交換のポイント
- 同時交換の場合の交換方法
- 複数人の場合の交換方法
Contents
名刺交換のポイント
名刺交換の基本的なポイントは、- 立って行う
- 相手の正面に移動して行う
- 順番は訪問した側が先
となります。
立って行う
応接室などで座って待っていた場合でも、相手がみえたら立ち上がって挨拶し、名刺交換をします。もちろん、喫茶店などで名刺交換する場合は、周囲への配慮から座ったままの場合もありますが、そのような場合は、
座ったままで失礼します
など一言添えるといいですね。
相手の正面に移動して行う
間にテーブルなどがある場合は、テーブル越しには行わずに、必ず相手の正面に移動してから名刺交換します。面倒でも相手側まで回り込むことは忘れないでください。
もちろん、上記「立って行う」で紹介したように、喫茶店など周囲への配慮が必要な場合は、テーブル越しでの名刺交換もありえますので、あくまで原則としてご理解くださいね。
順番は訪問した側が先
名刺交換の順番は、訪問した側が先
です。
訪問を受ける側が立場的に上で、訪問する側が立場的に下という考えからです。
複数人での名刺交換の場合の詳細は項を改めて以下に詳細に説明しましょう。
複数人との名刺交換の順番
複数人との名刺交換の場合は、役職の高い人から順に交換する
のが原則です。
例えば、あなたが訪問した先が課長Aと社員Bで対応された場合。
名刺交換の順番は、
- ①あなた→課長A
- ②あなた→社員B
となります。
(イメージ図)
逆に、あなたが上司である課長Cと2人で取引先に訪問して、訪問先が社員Bが対応された場合。
名刺交換の順番は、
- ①課長C→訪問先の社員B
- ②あなた→訪問先の社員B
の順となります。
(イメージ図)
さらに、今度は、あなたと課長Cが2人で取引先に訪問して、訪問先が課長Dと社員Bで対応された場合を考えてみると、
- ①課長C→訪問先の課長D
- ②課長C→訪問先の社員B
- ③あなた→訪問先の課長D
- ④あなた→訪問先の社員B
の順となります。
(イメージ図)
ただ、実際は、①の名刺交換の後、直ちに③が開始されることになるので、②と③の名刺交換は同時並行的に行われることになります。
以上はあなたが訪問する側の立場で紹介してきましたが、訪問される側であっても同じですので、上記の「社員B」を「あなた」と置き換えるといいですね。
複数の会社間での場合
X社、Y社、Z社など、3社以上が登場する場合も想定されます。例えば、取引先に他社の担当者の紹介をお願いするなどといった場合ですね。
具体的には、X社からY社にZ社への紹介をお願いするような場合です。
この場合は、紹介を依頼した側が目下の扱いになります。
X社がY社にお願いしているのでX社ですね。
ですので、先にY社からZ社に名刺を差し出すことになります。
通常は、X社の担当者がZ社に対して、
こちらがY社の〇〇さんでいらっしゃいます
などの紹介があると思うので、その後にY社から名刺を差し出すとよいですね。
名刺交換の仕方
それでは、実際に名刺交換の仕方を確認していきましょう。名刺交換のパターンには大きく分けて3つあります。
- 名刺を差し出すのみの場合
- 名刺を受け取るのみの場合
- 同時交換の場合
です。
こちらの動画では、基本的な名刺の扱い方と交換の仕方が簡潔に紹介されています。
↓↓↓
以下の説明は、名刺交換のパターンとこちらの動画を踏まえてのものとなります。
名刺を差し出すのみの場合
名刺を差し出すときは、名刺入れから名刺を取り出し、出した名刺を相手側に向けて胸元に構えます。相手に向かって会釈の姿勢をとり、
〇〇社の△△と申します。よろしくお願いいたします。
と名乗りながら両手で名刺を差し出します。
名刺を受け取るのみの場合
名刺を受け取るときは、両手で受け取ります。このとき、無言で受け取るのではなく、
ありがとうございます。ちょうだいいたします。
などと声をかけるようにしましょう。
動画のようにアイコンタクトをとったり、
〇〇様でいらっしゃいますね。
などと相手の名前を復唱する、受け取った後にお辞儀をするといった点を心がけると、より丁寧な印象になります。
また、名刺を受け取る際は、社名やロゴ、名前、写真などに指がかからないよう注意します。
同時交換の場合
特に悩ましい名刺の同時交換についての流れを紹介しましょう。- 名刺を取り出す(ほぼ相手と同時) ↓
- 訪問した側(or 目下側)から先に名乗る ↓
- お互い自分の名刺を相手の読める向きにして右手で差し出し、相手の名刺入れの上に置く
(差し出すときは、自分の名刺が相手の名刺より上の位置にならないように注意) ↓ - 相手の名刺は左手に持っている自分の名刺入れの上で受け取る
(このときも社名や名前などに指がかからないよう注意) ↓ - 自分の名刺を渡し終えたら、すぐに右手を受け取った相手の名刺に添え、「ちょうだいいたします」と両手で持ち直す ↓
いただいた名刺を胸の高さにキープしたまま一読し、名前などを確認する
名刺を同時に交換する場合、まずはお互いが名刺を乗せた名刺入れを胸元に両手で持った状態で、訪問した側から先に名乗ります。
(先ほどご紹介したとおりですね)
となります。
同時交換で続けて複数人と交換するときは、あらかじめ名刺入れの蓋の内側に人数分の名刺を控えておきます。
↓↓↓
一人ずつ順番に名刺交換していく訳ですが、このとき、
- いただいた名刺はいったん名刺入れの裏側へ控える
- 内側から用意しておいた名刺を取り出し次の人と交換する
- 次の人からいただいた名刺をまた名刺入れの裏側へ控える…
といった動作を繰り返すことになります。
↓↓↓
(名刺入れの裏側へ)
↓
(名刺の取り出し)
繰り返しの交換になりますが、流れ作業にならないように注意が必要です。
一人一人と目を合わせ、顔や名前、役職や部署を確認しながら名刺を交換するように心がけます。
名刺の置き方
名刺交換が済んで席に着いたら、名刺は商談や会議が終わるまで机の上に置いておきます。名刺を置き方は、
自分から見て左斜め前に名刺入れの上に乗せた状態
となります。
名刺入れの上に乗せるのは、相手を敬う気持ちを表すためです。
「名刺入れは座布団がわり」と覚えておくといいですよ!
複数人と名刺を交換した場合は、
- 左から役職が高い順に並べる
- 着席順に並べる
のどちらかで置くようにします。
このとき、最も役職の高い人の名刺は名刺入れの上にのせておくようにしましょう。
外部の人間からはどちらが立場的に上になるのかわからない場合もあります。
この場合、下手にビジネスマナーにこだわって、本部の課長か支店長のいずれかの名刺を名刺入れの上に置き、一方を机に直置きしたりすると、机の直置きされた方が露骨にムッとした顔をされる方もいらっしゃいます。
相手方の上下関係がわからずに、役職順にちょっと不安を覚えるような場合は、名刺入れはしまって、先方が座っている順番に机上に直接並べておくのもありだと思います。
何より優先すべきは、先方の名前と役職名を間違わないことですから。
実践の場面では名刺入れの上に置かれないことも多々ありますし、商談の中身が大事なので、ここは臨機応変にいきましょう。
なお、名刺入れが座布団だと考えると、一つの座布団に二人を座らせるわけにはいきません。
なので、
名刺入れの上には2枚以上名刺をのせない
というのもおさえておきましょう。
名刺にまつわる注意事項
そのほか名刺にまつわる注意事項を確認しておきましょう。
- 名刺入れに入れる
- 汚れ、折れのないように
- 相手の前でメモをとるのは厳禁
- 名刺の管理も忘れずに
以上の4点です。
財布や手帳、ポケットに入れて持ち歩いたり、名刺ケースごと持ち歩いたりするのはNGです。
財布や手帳、ポケットに入れて持ち歩くと名刺が折れ曲がってしまいます。
ある意味「名刺の身だしなみ」も必要ですが、名刺ケースごとというのも美しい身だしなみではないですよね。
ICカードなども入れられる「兼用」の名刺入れもありますが、やはりビジネスでは名刺の身だしなみのためにも、専用の名刺入れを用意したいところです。
関連記事>>>「社会人のための名刺入れの選び方|選ぶなら革製がベスト?男女別のおすすめも紹介」
そう考えると、名刺が汚れていたり折れ曲がっていたりするのは、男性ならヒゲがきれいに整えられていないことや、女性ならメイクがきちんとできてないことと同じことです。
そのためにも上記のように専用のケースを準備したいところですし、名刺交換の前には、汚れたり折れたりしていないか必ずチェックしましょう。
その特徴などをその場で名刺にメモしたい!
なんて衝動に駆られることが出てくると思います。
が、いただいた名刺にその場でメモをとるのはタブーです。
あなたの名刺があなたの分身であるように、相手からもらった名刺は相手の分身でもあるわけです。
相手の名刺に書き込むということは、名刺を汚すことであり、名刺を汚すということは相手を汚すことになり、失礼にあたります。
メモをとる必要があるのであれば、相手の目の前でメモをとることは避け、商談後など相手の目に触れないところで書き込むようにしましょう。
名刺を見ても、
いつどこで何のために会った人かわからない…。
なんてことになっては、せっかくのビジネスチャンスを逃してしまいかねません。
会社で決まった管理方法がない人も、ファイルやボックス、アプリなど、自分に合った方法で名刺を管理するようにしましょう。
まとめ
とにかく、この記事で新人研修を振り返りながら、繰り返しイメージしてみますね!
うさロング
映像も確認しながらイメージすると記憶に定着しやすいので、ぜひ映像と合わせて確認してくださいね。
まとめると、
名刺交換のポイントな中で一番大切なのは、
訪問した側から先に名刺を差し出す
ということ。
原則、名刺を頂戴するときも、お渡しするときも両手が基本ですが、同時交換の場合には例外的に片手でのやり取りが生じます。
それでも、こちらの名刺を渡した後は、できるだけ両手を添えて丁寧な形に戻します。
いただいた名刺の置き方は、
名刺入れの上に置く
が基本でした。
複数の相手から名刺をもらった場合、役職が最上位の相手の名刺のみを名刺入れの上に置くようにしましょう。
あくまでも名刺入れは「座布団」ですから、1枚の座布団に2人以上座ってもらうわけにはいきませんよね。
その他、名刺管理の注意事項としては、専用の名刺入れに入れるという点が重要でした。
この記事で名刺交換の基本をしっかりマスターしてくださいね。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。
【参考文献】
この記事では、以下の文献を参考にさせていただきました。ありがとうございました。
この記事では、以下の文献を参考にさせていただきました。ありがとうございました。
- 『入社1年目ビジネスマナーの教科書』(金森たかこ)<プレジデント社>