![カメチキン](https://the-right-manner.com/wp-content/uploads/2018/07/822604-150x150.png)
「粛々と」という言葉には上から目線的な意味合いがあるのでしょうか?
![うさロング](https://the-right-manner.com/wp-content/uploads/2018/07/スクリーンショット-2018-07-20-23.47.55-150x150.png)
使われる状況によっては、というところではないでしょうか。本来の意味や使い方から考えてみましょう。
![](https://the-right-manner.com/wp-content/uploads/2018/12/03bd7d4e3b241d0b9345784ef27bfc23_s.jpg)
間違いなく、政治家や官僚が使う言葉トップ5に入る
粛々と
ですが、
数年前にある政治家が発した
粛々と
が上から目線だとかなんとかで
物議を醸したこともありました。
しかし、そもそも粛々とに
上から目線の意味はあるのでしょうか?
・辞書での意味
・使い方の例文
を確認しながら確認してみましょう。
「粛々と」の辞書上の意味
まず、基本的なおさらいですが、粛々はしゅくしゅく
と読みます。
「粛」の文字は、
・心を引き締めて行なう
・つつしむ
・物音を立てない
・身が引き締まるほど厳しい様
といった意味を持ちます。
「粛々と」は、そんな意味を持つ「粛」を2回重ねるわけですから、
かなり気が引き締まるイメージを持ちますよね。
実際、
新解明国語辞典や明鏡国語辞典では、
といった意味で記されています。
- 静かに行動する様子
- 静かで厳かなさま
- ひっそりとしているさま
- 厳粛なさま
![うさロング](https://the-right-manner.com/wp-content/uploads/2018/07/スクリーンショット-2018-07-20-23.47.55-150x150.png)
相当気が引き締まるような場面で使いそうですよね
類義語
こんなピシッとしたイメージの「粛々と」と同じような意味をもつ類義語としては、- 静粛に
- 粛然と
- 厳粛に
- 厳か
などがあげられます。
イメージどおりですね。
英語で書くと?
英語で表記した場合にはsolemn:まじめな、厳粛な、荘重な、荘厳な
quiet:静粛な、静かな、穏やかな
quiet:静粛な、静かな、穏やかな
と表すことができます。
この2つで言えば、
solemnの方がより「粛々と」に近いイメージになります。
単に「静か」というイメージのquietよりも、
solemnのほうがより厳かな意味合いが強いです。
「粛々と」は上から目線?
さて、2015年、当時の菅官房長官が、沖縄の米軍基地の辺野古移設問題に絡んで、
「粛々と進める」
と発言したことが、
「上から目線だ〜!」
と、沖縄県知事から非難を浴びるといった事件がありました。
それから、
「粛々と」には上から目線の意味があるのか?
が一時話題になったんですね。
ただ、結論から言えば、
「粛々と」自体に上から目線の意味合いはない
です。
この記事の始めのほうで確認したように、
- 静かに行動する様子
- 静かで厳かなさま
- ひっそりとしているさま
- 厳粛なさま
という意味ですから、
ご覧いただければわかるように、
上から目線の意味合いがないことは明らかです。
ただ、使い方の文脈によっては
”上から目線”と受け取られかねないことがあります。
例えば、まさに、2015年に問題になったように、
反対派:「工事を進めるな〜!絶対反対〜!」
と言っているのに、
政治家(推進派):「粛々と進めます。」
と答えてしまうと、
ニュアンスとしては、
いくら反対・批判しようがこっちとしては知ったことではなく、やることを着々と進めるだけだ
という意味合いになってしまうからです。
実際、そのような意味合いに受け取られたことを反省して、
件の官房長官は、辺野古の問題に関しては、
その後2年間、「粛々と」を使うことを自粛することになりました。
そういう意味で、
「粛々と」には、
上から目線の意味はなくても、使う文脈によってはそう受け取られかねない
というのが正しい理解です。
「粛々と」の使い方と例文
意味でも紹介したように、・静かに行動する様子
・厳かな様子
を表している言葉です。
ちなみに、この「厳か(おごそか)」という言葉は、
・気持ちが引き締まるほど重々しいさま
・格式や威儀を感じさせるさま
という意味があります。
・気持ちが引き締まるほど重々しいさま
・格式や威儀を感じさせるさま
という意味があります。
なので、
「粛々と」は、
静かで厳しく張りつめた緊張感のある場所や場面、
主に冠婚葬祭等の厳正な行事で使われる言葉
であるといえます。
例文をあげると、
![接客](https://the-right-manner.com/wp-content/uploads/2018/05/082060-150x150.png)
式典は粛々と執り行われました。
厳正な雰囲気の中、静かに改って行われる式やお祭りなどに使います。
![接客](https://the-right-manner.com/wp-content/uploads/2018/05/082060-150x150.png)
その件については粛々と進めております。
事態を重く捉えて、心を引き締めて行くという際に使います。
![接客](https://the-right-manner.com/wp-content/uploads/2018/05/082060-150x150.png)
彼女は与えられた仕事を粛々とこなしています。
仕事などをひっそりと確実に行っているという意味で使います。
まとめ
![カメチキン](https://the-right-manner.com/wp-content/uploads/2018/07/822604-150x150.png)
なるほど〜!「粛々と」の本来の意味は上から目線ではないんですね。
![うさロング](https://the-right-manner.com/wp-content/uploads/2018/07/スクリーンショット-2018-07-20-23.47.55-150x150.png)
問題は使う文脈にあります。「粛々と」ではなく「着々と」と言い換えても、上から目線の文脈はありえますから。
まとめると、
「粛々と」の意味は、
- 静かに行動する様子
- 静かで厳かなさま
- ひっそりとしているさま
- 厳粛なさま
となり、
言葉自体には、
上から目線の意味はありません。
主には、
・冠婚葬祭や式典などの緊張感のある場面
・物事を静かに強い意志で遂行していく様子
を表す表現に用いることで、表現の幅を広げることができます。
とくに「物事を静かに強い意志で遂行していく様子」という意味合いで使う場合には、
ビジネスシーンでも真剣な姿勢を表す言葉として用いることができるでしょう。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。