
おせち料理って各料理ごとにいわれがあるんですよね。

そうですね。1つ1つの料理を何かに見立てたりして、意味をもたせてますね。

そういう日本文化の奥ゆかしさを子供達にも伝えたいんですよ。

ぜひ、おせち料理の意味を子供たちにわかりやすく伝えてください!

日本で古くから食べ継がれてきた正月の伝統食といえば
おせち料理
大切にしたい食文化ですが、
最近では和食離れが進んで食べないご家庭も増えています。
おせち料理には本来新しい年に向けた様々な願いがこめられ、
食べることで家族の健康や幸せにつながるとされます。
家族で過ごすお正月、
子供たちも交えておせち料理の意味や由来に触れて、
美味しくいただいてみるのはいかがでしょう。
この記事では、
子供と一緒に家族みんなで楽しむおせち料理
について、詳しくご紹介します。

黒豆やカズノコなど、料理それぞれにもいわれがあり、おもしろいですよ。
Contents
お正月に食べる「おせち」料理の由来
おせちは、大昔に神様にふるまわれていた御節供(おせちく)
と呼ばれる料理が由来です。
奈良時代の五節句の料理
御節供の歴史は奈良時代にさかのぼります。当時宮中では、
豊作や無病息災を祈る五節句という宴が行われていました。
五節句は5つの季節の変わり目に行われ、
その宴で神様にふるまわれた料理が御節供です。
御節供が庶民によって楽しまれるようになったのは江戸時代ごろです。
しかし、
御節供の料理を食べるのは年に5回ある五節句全てではなく、
五節句のなかでも一番初めに当たるお正月でした。
発展したのは江戸時代
御節供は江戸の庶民の身分により様々な意味を持ちました。- 武士:祝い膳(めでたいときに食べるパーティー料理)として食べる
- 町民:新年を祝う料理として食べる
- 農民:その年の豊作を祈って食べる
といった具合です。
それぞれの立場でお祝いやお祈りの要素を含みつつ、
どちらにせようれしい場の料理として食べられていたようです。
また江戸時代に入ると武士同士の争いが起こることは少なくなり、
町人文化が発展します。
それに伴い
御節供の内容も海の幸山の幸などをふんだんに使用するなど、
豪華になっていきました。
お重に入れられるようになるのも江戸時代。
江戸の末期ごろですが、
縁起のいい御節供の料理を重箱に詰めることで『福を詰める』、
それを重ねることで『福が重なる』とされました。
「おせち」は歴史が浅い
さて、だんだんと私たちが知る「おせち」に近づいてきましたが、まだ江戸時代は「御節供」と呼ばれていました。
「おせち」になったのは戦後から
です。
「おせち」となった由来は、なんとデパートで販売するため。
「おせちく(御節供)」よりも「おせち」ほうが呼びやすく売りやすいから
だそうです。
由緒ある名をそんな理由で変えてもいいのだろうか、
と思いますが、
もともとの由来から少しずつ変化して今の重箱になったわけです。

1字削るくらい大げさなことではないのかもしれませんね。
こうして「おせち」は現代に定着していきました。
しかし冒頭でもお伝えしたように、
現在は和食離れが進み「おせち」を食べない人が若い層を中心に増えています。
そんな中、販売店などでは「洋風おせち」などアイデアを出して「おせち」の普及に努めています。
昔と同様、時代に沿って形を変えながらでも、
日本の正月の伝統が受け継がれていくとうれしいですね。
おせち料理について1段ずつご紹介
おせち料理は重箱のどの段にどの料理が入るのか決まっています。それぞれの重箱には意味があり、
それぞれの料理にも意味があります。
四段重ね・五段重ねのおせち料理もありますが、
最近では核家族化もあり、
三段重ねが主流のようです。
意味を知って食べるとよりおいしく、楽しくなります。
お子様と一緒に楽しく意味を知ることができるよう、ご紹介していきます。
壱の重
重箱の一番上です。祝い肴と取り口、
つまり、
酒の肴にできそうな料理や、
子供が好んで食べそうな甘い料理が入ります。
お料理 | 意味 |
---|---|
黒豆 | マメに暮らす、つまり元気に暮らすという意味をもつ |
栗きんとん | 漢字で「栗金団」と当て、金運が上がるよう、また家が繁栄するよう願った |
かずのこ | 子供がたくさん生まれるよう願って、たくさんの粒(卵)を食べる |
田作り | 原材料のカタクチイワシは、昔、畑の肥料として使われていた。 「畑にたくさん食べ物が実って困らないように」という意味。 |
たたきごぼう | 畑でしっかり土に根を張る=しっかりした土台の家で暮らせるように |
紅白かまぼこ | 赤と白はめでたい色、またかまぼこは昔高級だったため豪華なイメージ |
伊達巻 | きれいな黄色が神様のお供え物としてふさわしいと考えられた。 また、反物(巻いた長い布)に見立てて、服に困らない生活ができるよう願った。 |
昆布巻き | 「よろこぶ=よろこんぶ」で幸せのイメージ。 また、昆布(こんぶ)を「子生婦」と当てて、赤ちゃんを授かるよう願った。 |
錦卵 | 黄色と白でお金持ちをイメージして華やかな気持ちに。 |
弐の重
真ん中の重箱です。酢の物と、おせちの中でも「ごちそう」とされる海産物の焼き物を詰めます。
お料理 | 意味 |
---|---|
ぶり | 成長するたびに名前が変わる出世魚、出世を願って食べる |
たい | 「めでたい」と語呂合わせで縁起のいい食べ物 |
えび | エビは火を通すと背中が曲がり、お年寄りの曲がった背中の姿に似ている長生きをするシンボル |
すだこ | カットした断面が紅白に見えて縁起がいい。 また、「たこ=多幸」と語呂合わせして幸せになるよう願いを込めた。 |
紅白なます | 赤と白を使うことでめでたさをあらわしている |
参の重
一番下の重箱で、煮物が入ります。山の幸を中心にした料理。
一説にはおせち料理の元祖とされる煮物には、
「家族仲良く末永く繁盛しますよう」
という意味が込められています。
お料理 | 意味 |
---|---|
れんこん | 穴から向こうが見える=「先を見通して良い未来になりますように」の意味 |
サトイモ | 植えるとたくさんの子イモができる=子供がたくさんできるよう願った |
くわい | 仕事で成功(出世)できるよう、大きな芽を出すくわいを食べる |
しいたけ | 昔は高級品としておめでたいときには必ず食べていた。 「亀の甲羅」に飾り切りをして、長生きを願う。 |
人参 | 春になる前に一番先に咲く花「梅の花」に飾り切りされることが多い。 昔から愛されていた「梅の花」にすることで豊かさを願って食べる。 |
四段重ね、五段重ねの場合
四段重ねの場合は、- 壱の重:祝い肴と取り口
- 弐の重:酢の物
- 参の重:焼き物
- 与の重:煮もの
とされました。
ちなみに「与」は「四」のことです。
「四」は「し=死」をイメージさせるので縁起が悪いため、
「与」と書いて「よ」と読ませます。
さらに五段重ねの場合もあります。
「与の重」までは四段重ねと同じで、
「五の重」が空箱で追加されます。
まとめ

これで子供と一緒におせち料理を楽しめそうです!

ぜひ日本の食文化を大切に引き継いでいきたいですね。
まとめると、
おせち料理は奈良時代の宮中行事がルーツ。
とても古い伝統食で、
御節供(おせちく)
と呼ばれていました。
時代を経ながら少しずつ変化し、
江戸時代の末期ごろから
現在のおせち料理になったんですね。
おせち料理は三段重ねの重箱が主流で
それぞれの重箱に意味を持つお料理が並びます。
多くは家族の幸せを願ったもの。
それぞれのお料理については本文の一覧をご確認くださいね。
ぜひ1年のはじめに家族の幸せを願い、
お子さんと一緒におせち料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。